1950年代まで、日本における建物内給水の主役を担ってきたのは「亜鉛メッキ鋼管」であった。
当時としては安価で、強度も備えた材料であり、亜鉛メッキによる水に対する防食効果も認められていた。
ところが高度経済成長に伴い増大した給水人口の衛生保持のため、消毒の強化、つまり浄水段階に於ける塩素投入量が増えた結果、亜鉛溶出による白濁水及び鋼管本体腐食による赤水の事例が増えてきた。
耐食管材として1952年に硬質塩化ビニル管が発売され、さらに鋼管の内面にこの硬質塩化ビニルをライニングした「硬質塩化ビニルライニング鋼管」が1957年に発売された。亜鉛メッキ鋼管の施工法と機械的強度を受け継ぎ、耐食性能を兼備した硬質塩化ビニル管は、赤水・腐食に悩む給水配管の救世主となり、1970年代後半にはビル建物の給水管はほぼ、この硬質塩化ビニルライニング鋼管になった。またねじ込み継手も改良が重ねられて管端防食継手を標準化し、腐食防止への挑戦が続けられた。
一方、水道本管(配水管)において採用されてきた高性能ポリエチレン管(水道配水用ポリエチレン管)の耐久性、耐食性、耐震性から豊富な施工実績と高い評価を積み重ねてきた。そして2003年宮城県北部地震、2004年新潟県中越地震に於いても「被害ゼロ」とその性能を実証した高性能ポリエチレン管を、建物内給水へ用途展開すべく「独立行政法人 都市再生機構」様と「建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会」との共同研究で検証を行った。
水道用ポリエチレン管(給水用)
[~50A]
水道配水用ポリエチレン管
[50A~200A]
建築設備用ポリエチレン管
[20A~75]、[50A~200A]
水道用ポリエチレン管(給水用)
[~50A]
日本でポリエチレン管の製造が開始
日本水道協会規制制定(JWWA K 101)
日本工業規格制定(JIS K 6762)
第一世代HDPEのき裂漏水事故発生
LDPEの水泡はく離事故発生
JIS K 6762改正
-塩素水試験追加によりL-LDPEに移行
団体規格(JPS-04)制定
-L-LDPE・第二世代HDPE二層管の規定
水道配水用ポリエチレン管
[50A~200A]
日本でポリエチレン管の製造が開始
JIS K 6762改正-二層管が追加判定
配水用ポリエチレン管協会企画制定
(PWA 001、PWA 002)
日本水道協会企画制定
(JWWA K 144、JWWA K 145)
JIS K 6762改正-水道用PE二層管に統一
ポリエチレン管敷設工の歩掛に
呼び径75~200を追加制定
国道下浅層埋設の許可(国土交通省通達)
水道施設設計指針に配水管用途適合管材
として記載
法定耐用年数の改正
(総務省通達)-40年に統一
配水用ポリエチレン管協会企画制定
(PWA 003、PWA004)
耐震化算定対象耐震管材に追加
(水道ビジョン/厚生労働省)
水道配水用ポリエチレン管
[50A~200A]
配水用ポリエチレン管協会規格制定
(PWA005、PWA006)
耐震化率算定対象管材として記載
(水道事業ガイドライン/JWWA Q 100)
建築設備用ポリエチレンイプシステム
研究会に改称
2団体が配水用ポリエチレンパイプ
システム協会に統合、企画制定
(PTC K 03、PTC K 13)
公共住宅機械設備工事積算基準/
公共住宅事業者等連絡協議会に記載
(20~200A)
建築設備用ポリエチレンパイプシステム
研究会に改称
公共建設機械工事標準仕様(機械設備工事)/
国交省営繕部監修に記載(JWWA K 114、115)
UR都市機構保全工事共有仕様書に記載
(PWA001、002、005、006)
65A、125AをPWA005、006に追加、上市